KRONOS™社について
KRONOS™は、酸化チタン(TiO₂)を製造するグローバル企業です。酸化チタンの製造法である「硫酸法」を世界で初めて商業用に開発したメーカーであり、現在KRONOS™では硫酸法と塩素法の両方を用いて酸化チタンの製造を行っています。メイン工場のドイツ・レバークーゼンを含め、欧米の9拠点に工場を構えており、100年以上にわたり高品質な酸化チタン(TiO₂)を世界中に提供しています。
KRONOS™の強み
01
100年以上にわたる酸化チタン製造の経験を活かした、多彩なラインナップ
02
優れた耐劣化性をもつ“ポリカーボネート向け”製品の提供。自動車、電子部品にも使用
03
インクジェット向けにチタン分散体の開発
酸化チタンとは
酸化チタン(TiO₂)は、地球上に広く分布する酸化鉱物の一種である「チタン鉱石」から生産される無機化合物です。優れた白色度を持ち、素地を覆い隠す力(隠ぺい力)や均一に分散する性質などを併せ持つことから、自動車、住宅塗料、食品パッケージなど様々な用途に使用されています。
酸化チタンの製造方法には、下記の二つがあります。
「硫酸法」
硫酸法は、まず原料(イルメナイト鉱石 )を濃硫酸に溶解させ、不純物である鉄分を硫酸鉄として分離します。この時にチタン分として得られた硫酸チタニルを加水分解することで、白色の含水酸化チタンを得ます。その後、焼成工程を経ることで、酸化チタンが生成されます。
「塩素法」
塩素法は、まず硫酸法より品位の高い鉱石(天然ルチルなど)をコークス・塩素と反応させ、精製して四塩化チタンを得ます。次に、四塩化チタンを加熱して気体にし、高温で酸素と反応させ、塩素を酸素に置き換えることにより、酸化チタンが生成されます。
グレード表
| 製品名 | 製法 | 表面処理 | TiO₂含有量(%) | 推奨用途 |
|---|---|---|---|---|
| KRONOS 2044 | 硫酸法 | Al, Si | 82 | グラビア、フレキソインキ、建築塗装 |
| KRONOS 2047 | 硫酸法 | Al, Si | 88 | フレキソインキ |
| KRONOS 2056 | 硫酸法 | Al, Si | 94 | オレフィン系、エンプラ、PVC |
| KRONOS 2064 | 硫酸法 | Al | 95 | インキ各種、コイルコーティング |
| KRONOS 2066 | 硫酸法 | Al | 95 | インキ各種、コイルコーティング |
| KRONOS 2073 | 塩素法 | Al | 96.5 | PVC |
| KRONOS 2160 | 塩素法 | Al, Si | 90.5 | コイル、パウダーコーティング |
| KRONOS 2211 | 塩素法 | Al | 95.5 | PVC、マスターバッチ |
| KRONOS 2220 | 塩素法 | Al, Si | 92.5 | ABS、エンプラ、PVC |
| KRONOS 2222 | 塩素法 | Al, Si | 92.5 | PVC |
| KRONOS 2225 | 塩素法 | Al, Si | 92.5 | オレフィン系、マスターバッチ |
| KRONOS 2230 | 塩素法 | Al | 96 | PC、PCブレンド |
| KRONOS 2233 | 塩素法 | Al | 96 | PC、PCブレンド(ブルベ) |
| KRONOS 2300 | 塩素法 | Al | 94 | フレキソインキ、コイル、パウダーコーティング、建築塗装 |
| KRONOS 2310 | 塩素法 | Al, Si, Zr | 92.5 | フレキソ、スクリーン、デジタルインキ、コイルコーティング |
| KRONOS 2360 | 塩素法 | Al, Si | 92 | PVC、コイル、パウダーコーティング、建築塗装 |
| KRONOS 2450 | 塩素法 | Al | 96 | PVC |
| KRONOS 2500 | 塩素法 | Al | 97.5 | コーティング/樹脂成型 |
| KRONOS 3025 | 硫酸法 | - | 99 | 表面処理なし |
| KRONOS 1071 | 硫酸法 | Al, Si | 96 | UVインク、繊維 |
| TYPE 3741 | 硫酸法 | Al, Zr | 94 | スクリーンインキ、コイル、パウダーコーティング、建築塗装 |
※推奨銘柄は、KRONOS™の知見に基づくものであり、ご使用時の性能、及び、適性を保証するものではありません。
ご検討にあたりましては、弊社「問い合わせフォーム」までお問合せ下さい。
※上記他、インクジェット向けのチタン分散体の取り扱いもございます。詳細はお問い合わせ下さい。
特徴
01
優れた白色性と高い隠ぺい力を持ちます。他フィラー系「隠ぺい力比較について(対リトポン、硫酸バリウム)」と比較しても、高い隠ぺい力を示します。
02
表面処理をした耐候性グレードのラインナップ。表面処理方法「表面処理のイメージ」によって、推奨用途が変わってきます。
03
ポリカーボネート向け専用に2種類のラインナップがあります。
– 有機処理 ( Organic Treatment )
– 無機処理 ( Inorganic Treatment )
・アルミニウム
・シリカ/ジルコニア
ポリカーボネート向けの特殊品
電気自動車、5Gの普及に伴い、ポリカーボネートを使用した製品の需要が期待されています。
KRONOS™はポリカーボネート向けに2製品のラインナップを用意しています。
| 製品名 | 製法 | 表面処理 | TiO₂含有量(%) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| KRONOS 2230 | 塩素法 | Al | 96 | 明るさ、中性色調 |
| KRONOS 2233 | 塩素法 | Al | 96 | 高い着色力、青味がかった色調 |
ポリカーボネート向けの特徴
- 独自の処理工程により、ポリカーボネートの劣化防止。熱分解を抑制または減少
- 高い加工温度での優れた着色特性
- 半透明用途における純白色
- 高分散性
用途
- 消費電子製品・家電製品・自動車部品・照明/LED技術・医療機器・通信
酸化チタンは表面に有機、無機の処理を加えています。この処理により優れた耐候性を持たせます。
※表面処理がない製品の取り扱いもございます。