ORGASOL®とは
ORGASOL®は高機能を付与する添加剤です。他の一般的な微粉末の製法である粉砕工程と異なり、製造元であるArkema社が特許を持つ特殊な重合プロセスで製造されています。球状であり(図1)、非常に狭い粒度分布(図2)となっております。
なぜORGASOL®を選ぶか?
ORGASOL®の主成分はポリアミドです。特殊な構造、非常に狭い粒度分布及びポリアミドの物理・化学物性により、ORGASOL®は非常に優れた特長を持っています。ペイント、インク、ワニスへの添加剤やコンパウンドの添加剤として使用され、製品の要求特性を改善することができます。
次の表に示すように、主に艶消し目的で使用される各種フィラーに対して、ORGASOL®は複数の機能性付与を可能とします。
艶消しフィラー とORGASOL®の特徴
以上より、ORGASOL®は他の製品と比べ、様々なメリットがあります。
製品に複数の特性を同時に求められる際には、ぜひORGASOL®をお試しください。
アプリケーション例:
ORGASOL®は、様々な用途に用いられています。
01
プレコートメタル (PCM) 塗装
テクスチャ付与 + 耐摩耗性 + 耐スクラッチ性
02
自動車内装プラスチックコーティング
美的外観 + 耐摩耗性 + 耐スクラッチ性
03
コイルコーティング
耐摩耗性 + 耐スクラッチ性
04
高級インテリア
高級感 + 触り心地 + マット感
05
電子・家電機器外装プラスチックコーティング
高級感 + 触り心地 + 質感 + 耐摩耗性
また、ORGASOL®は、下記の用途にも添加されます。
ウッドコーティング、ゴムコーティング、インクジェット転写紙、複合材料、レーザーシンタリング(LS)、金属射出成形(MIM)、UV硬化OPV等
コーティング
自動車内装
高級インテリア
ORGASOL®はなぜ様々な特長を持っているのか?
ORGASOL®の主成分はポリアミドです。特殊な構造、非常に狭い粒度分布及びポリアミドの物理・化学物性により、ORGASOL®粒子は様々な特性を持っています。例えば、下記の例があげられます。
テクスチャ・触り心地
ORGASOL®は、粉砕による粉末形成は行いませんため、ユニークな球形(図6)
構造及び狭い粒度分布を持ちます。適した粒径のORGASOL®を添加することで、「やわらかい触感」や「さらっとした触感」が得られます。
コーティングの乾燥膜厚(DFT) より小さいものを添加すると透明性を維持しながら、耐摩耗性・耐スクラッチ性の向上が見込めます。
マット感
塗膜の表面近くにORGASOL®粒子が存在すると、光の偏向が生じる(図6)ので、光沢を下げられます。
外観
ORGASOL®粒子は特殊な球形構造と狭い粒度分布を持つため、均一な外観となります。
ポリアミドの硬度・柔軟性
ORGASOL®粒子が圧力を受けて変形する(図7)ことで、摩耗から物理的に防御します。
ポリアミドの摩擦係数が低いため、耐摩耗性が良くなります。
ポリアミドの硬度・柔軟性
ORGASOL®粒子は圧力に応じて変形(図8)し、圧力を散逸させます。
摩擦低減による滑らかな表面特性
ORGASOL®の少量添加で、PTFE/PEワックスと同等の動摩擦係数の低下を達成できます。
・ポリアミドの溶解性と膨潤性は非常に低いため、耐薬品性(ハンドクリーム、アルコール、溶剤等)に優れています。
・ポリアミドは吸油性が低く、疎水性のため、防汚染性(コーヒー、お茶、インク等)に優れています。
ポリアミドの硬度・柔軟性
ORGASOL®粒子は硬さと柔軟性を兼ね備えるため、摩耗による「てかり」を大幅に抑えられま
レード表
| グレード | ポリアミドの種類 | 平均粒径 / µm | 比表面積 / m2/g | 融点 / ℃ |
|---|---|---|---|---|
| 2001 UD NAT1 | 12 | 5 | 9 | 177 |
| 2001 EXD NAT1 | 12 | 10 | 4 | 177 |
| 2002 D NAT1 | 12 | 20 | 1 | 177 |
| 2002 ES3 NAT3 | 12 | 30 | 1 | 177 |
| 2002 ES4 NAT3 | 12 | 40 | 1 | 177 |
| 2002 ES5 NAT3 | 12 | 50 | 1 | 177 |
| 1002 D NAT1 | 6 | 20 | 2 | 217 |
| 3501 EXD NAT1 | 6/12 | 10 | 20 | 143 |
グレードの選択
コーティングの乾燥膜厚(DFT)と使用するORGASOL®の平均粒径がほぼ同一の場合に、最も艶消し効果が得られます。平均粒径がDFTよりも大きくなると、ソフトな質感が得られます。
基本的にORGASOL®の添加により、コーティングの光沢はサテン仕上げ (60度で測定した光沢度:30〜50) になります。
さらに光沢を下げたい場合は、ORGASOLとシリカを併用すると効果的です。それぞれを1:1の比率で添加することで、さらに光沢を抑えられます。